男狂い
おとこぐるい
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
wantonness
文例 · 用例
母は自分のあとを嗣がせるつもりで、子供のときから一生懸命に長唄を仕込んだが、お俊は肩揚げの下りないうちから男狂いをはじめて、母をさんざん泣かせた挙句に、深川の実家を飛び出して、上州から信州越後を旅芸者でながれ渡って、二、三年前に久し振りで江戸に帰ってくると、深川の母はもう死んでいた。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
「何云ってるのだ、家へ入れるものは、ちゃんと入れてあるのだ、白粉を買おうと、香水を買おうと、己のはたらきで、己がするのだ、へんだ」「そうそう、己のはたらきで、買い喫いもすれば、男狂いもするのだよ、みあげたお嬢さんだ」 長吉は手をあげて二人を押えるようにした。
— 田中貢太郎 『春心』 青空文庫
あの、わがまま娘が、とうとう男狂いをはじめた、と髪結さんのところから噂が立ちはじめたのは、ことしの葉桜のころで、なでしこの花や、あやめの花が縁日の夜店に出はじめて、けれども、あのころは、ほんとうに楽しゅうございました。
— 太宰治 『燈籠』 青空文庫
近所の人たちは、そのような私の姿を見つけて、それ、下駄屋のさき子の男狂いがはじまったなど、そっと指さし囁き交して笑っていたのが、あとになって私にも判ってまいりました。
— 太宰治 『燈籠』 青空文庫
だいいち、あの子はいたって内気もの、みだりがましい男狂いのうわさなぞなにひとつござりませぬのに、なんとしたのでござりましょう。
— 朱彫りの花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
「栄屋の抱えおちゃら(十六)は半玉の時から男狂いの噂が高かったが、役者は宇佐衛門が贔屓で性懲のない人形喰である。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
それでもまだ、旦那のほかに、男狂いをしたという評判は聞かない。
— みちりやの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
手癖は悪いかも知れぬが、小娘の時代から男狂いはしていたかも知れぬが、さすがに伯爵に眼をつけられるだけあって、頭はどこかすばらしく、鋭角的に発達しているな!
— 橘外男 『グリュックスブルグ王室異聞』 青空文庫
作例 · 標準
例句