船君
ふなぎみ
名詞
標準
文例 · 用例
……秋風の関門を渡る――かも知れませんよと白船君に、旅立つ時、書いて出したが、しぐれの関門を渡る――となつたが、こゝからは引き返す外ない、感慨無量といふところだ。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
帰途、白船居でコツプ酒をよばれる、白船君のよい人であるに間違はないが、奥さんもまたよい人であることに間違はない、だから白船居はいつも春風たいとうだ。
— 室積行乞 『行乞記』 青空文庫
雪となつたが生れたさうな(第六感で)雪や山茶花や娘がうまれた雪ふるあしたの女としてうまれてきた 私には女の子を持った体験はないけれど(白船君にはありすぎる!
— 種田山頭火 『三八九雑記』 青空文庫
白船君の歯がほろりと抜けた、私の歯はすでに抜けてしまつてゐる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
学校に樹明君を訪ねる、君は私が途中、どこかに下車したと思つて、昨日も白船君と交渉したさうな、感謝々々。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
昼飯最中だつた、誰だか来て案内を乞ふ、出て見て思ひだしたが、福日の恒屋匡介君だつた、まことに意外なお客さんだつた、白船君から私の近況を聞いて訪ねて来たといふ、閑談二時間あまり、後日を約して別れた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
白船君が山口行の途次、寄るかも知れないといふハガキを寄越したので、新菊を採り、ほうれん草を茹で、鰹節を削り、……そしてうどん玉を買ひに街へ出かけた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
……・うらゝかにしてすがれた花にとまるてふちよも 母子で藷掘る暮れ早い百舌鳥の啼く・うらゝかなれば一羽鴉のきてなけば 日あたり水仙もう芽ぶいたか・ことしもこゝに落葉しておなじ蓑虫 白船君に あなたを待つてゐる火のよう燃える 十一月廿四日 けふもうらゝかな日。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫