来三
らいさん
名詞
標準
文例 · 用例
おれはどうも、不器用といふわけではないが、決してさういふわけではないが、鮒なんて水の中のものを捕へる事が出来ねえので、どうも、あいつはおいしいといふ事だけは知つてゐながら、それ以来三十何年間、いや、はははは、つい兄の口真似をしちやつた。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
声を聞きつけてミシミシと二階を下りてきて「ヤア」と現われたのが、一別以来三年会わなんだ桂正作である。
— 国木田独歩 『非凡なる凡人』 青空文庫
この二十六日以来三日間というもの、すべての交通一切|杜絶で、郵便はもちろん新聞さえ見られなかった際じゃから、郵便配達と気づいて予はすこぶるうれしい。
— 伊藤左千夫 『水籠』 青空文庫
それより以来三四郎は運動会へ近づかなかつた。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
田宮夫人はことし五十六、七歳で、二十歳の春に一度結婚したが、なにかの事情のために間もなくその夫に引きわかれて、その以来三十余年を独身で暮らしている。
— 岡本綺堂 『鰻に呪われた男』 青空文庫
それ以来三十五年ばかりになるわけです。
— 岡本綺堂 『久保田米斎君の思い出』 青空文庫
滄桑の変とは申しながら、御入国以来三百年も、あの通り将軍家の……」と云いかけると迷亭先生面倒だと心得て「伯父さん将軍家もありがたいかも知れませんが、明治の代も結構ですぜ。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
それより以来三四郎は運動会へ近づかなかった。
— 夏目漱石 『三四郎』 青空文庫