風色
ふうしょく
名詞
標準
文例 · 用例
だが、この鮮麗な大河の風色と熾烈な日光の中では決して不調和ではない。
— 北原白秋 『日本ライン』 青空文庫
啄木、永く都塵に埋もれて、旦暮身世の怱忙に追はれ、意ならずして故郷の風色にそむくうちに、身は塵臭に染み、吟心また労をおぼえぬ。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
鴫たつ沢の風色を思ひ浮べると同時に、歌枕なるが故の地名的理会が、人々の気分に起つたのである。
— 後期王朝文学史 『女房文学から隠者文学へ』 青空文庫
辰弥も今は相対う風色に見入りて、心は早やそこにあらず。
— 川上眉山 『書記官』 青空文庫
殊に日本のやうに海の状態や、溪流や沼や池が、巧みに配置され、その風色にも恵まれてゐる国では、思ふ存分その原生的な魚との戦ひを味ひ、溌剌たる運動を続けるには、その環境とコンデイシヨンを充分に研究する必要がある。
— 佐藤惣之助 『日本の釣技』 青空文庫
時は是れ陽春三月の暮、青海の簾高く捲き上げて、前に廣庭を眺むる大弘間、咲きも殘らず散りも初めず、欄干近く雲かと紛ふ滿朶の櫻、今を盛りに匂ふ樣に、月さへ懸りて夢の如き圓なる影、朧に照り渡りて、滿庭の風色碧紗に包まれたらん如く、一刻千金も啻ならず。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
去国西航已二旬、洋中風色日加新、今朝船入彼南港、緑葉紅花冬似春。
— 井上円了 『西航日録』 青空文庫
大小の群山これを囲繞し、その風色、実に心目を一洗するに足る。
— 井上円了 『西航日録』 青空文庫