川方
かわかた
名詞
標準
文例 · 用例
――そいつは何だ、講釈師がよく饒舌る、天保水滸伝中、笹川方の鬼剣士、平手造酒猛虎が、小塚原で切取って、袖口に隠して、千住の小格子を素見した、内から握って引張ると、すぽんと抜ける、女郎を気絶さした腕に見える。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
津軽藩祖大浦為信は、関ヶ原の合戦に於いて徳川方に加勢し、慶長八年、徳川家康将軍宣下と共に、徳川幕下の四万七千石の一侯伯となり、ただちに弘前高岡に城池の区劃をはじめて、二代藩主津軽信牧の時に到り、やうやく完成を見たのが、この弘前城であるといふ。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
去年の五月ごろ、彼は品川方面へ商売に出て、南番場の海保寺門前を通りかかると、桂庵の家から呼びかけられて、ひと番いの飼い鶏を買ってくれと云われた。
— 大森の鶏 『半七捕物帳』 青空文庫
そこで細川方の領将も、山名方の領将も国元の様子が心配なので取る物も取りあえず京都から引返すという有様。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
ここに細川方の幕僚で丹波を領している細川|下野守教春も、その数に洩れず、急いで国元へ引返して行きました。
— 岡本かの子 『鯉魚』 青空文庫
「品川方面は御免だよ。
— 平出修 『二黒の巳』 青空文庫
ところが五年目に突然|此手紙、何事かと驚いて読み下すと其意味は――お別れしてから種々の運命に遇た末今は或男と夫婦同様になつて居る、然るに貴様との関係と同じく矢張男の家で結婚を許さない、その為め男は遂に家出して今は愛宕町何丁目何番地|小川方に二人して日蔭者の生活をして居る。
— 国木田独歩 『節操』 青空文庫
「小川方」とあつた、よろしいこれだと、躊躇うことなく格子を開けて『お宅にお静さんといふ人が同居し居られますか。
— 国木田独歩 『節操』 青空文庫