飄然
ひょうぜん
副詞-と形容詞-たる
標準
casually (come or go)
文例 · 用例
ああ、もう東京はいやだ、殺風景すぎる、僕は北京に行きたい、世界で一ばん古い都だ、あの都こそ、僕の性格に適しているのだ、なぜといえば、――と、れいの該博の知識の十分の七くらいを縷々と私に陳述して、そうして間もなく飄然と渡支した。
— 太宰治 『佳日』 青空文庫
けれども一方、会衆の前に飄然として出て来て、「君、赤ン坊の脳髄を食つたことがありますか」などといつてゐる。
— 中原中也 『夭折した富永』 青空文庫
それは丁度、或る年の九月頃であつたが、僕が折あしく外出してゐるところへ、飄然と牧水氏が訪ねて來て、玄關へ取次ぎを乞はれたのである。
— 萩原朔太郎 『追憶』 青空文庫
自分で一冊か二冊、つまらない別の本を裸で抱えて、如何にも有閑学生か、有閑インテリらしい気分と面構えで飄然と往来から這入って来るんですね。
— 夢野久作 『悪魔祈祷書』 青空文庫
』 雲飛は三年の壽命位は何でもないと答へたので老叟、二本の指で一の竅に觸たと思ふと石は恰も泥のやうになり、手に隨つて閉ぢ、遂に三個の竅を閉いで了つて、さて言ふには、『これで可し、殘の竅の數が貴君の壽命だ、最早これでお暇と致さう』と飄然老叟は立去て了つた。
— 國木田獨歩 『石清虚』 青空文庫
その中百円を葬儀の経費に百円を革包に返し、残の百円及び家財家具を売り払った金を旅費として飄然と東京を離れて了った。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
毛色のかわった犬|一疋、匂の高い総菜にも、見る目、※ぐ鼻の狭い土地がら、俤を夢に見て、山へ百合の花折りに飄然として出かけられたかも料られぬを、狭島の夫人、夜半より、その行方が分らぬなどと、騒ぐまいぞ、各自。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
却説、葛木法師の旅僧は遠くも行かず、どこで電車を下りて迂廻したか、多時すると西河岸へ、船から上ったごとく飄然として顕れて、延命地蔵尊の御堂に詣でて礼拝して、飲酒家の伯父さんに叱られたような形で、あの賓頭廬の前に立って、葉山繁山、繁きが中に、分けのぼる峰の、月と花。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
作例 · 標準
彼は十年ぶりに故郷へ戻ると、何事もなかったかのように飄然と旧友の前に現れた。
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旅人はリュック一つを背負い、行き先も決めぬまま飄然と駅のホームを去っていった。
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会議が紛糾する中、顧問は飄然とした足取りで部屋に入ってきて、核心を突く一言を放った。
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標準
detached (from the world)
作例 · 標準
世俗のしがらみを捨てた隠居生活を送る彼は、どこか飄然とした雰囲気を纏っている。
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どんなに厳しい批判を受けても、彼は飄然として自らの信念を曲げることはなかった。
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巨匠と呼ばれるようになってからも、彼は名声に無頓着で、飄然と野の花を描き続けた。
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