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泥塗れ

どろまみれ
名詞
1
標準
文例 · 用例
旦那が役所へ通ふ靴の尖は輝いて居るけれども、細君の他所行の穿物は、むさくるしいほど泥塗れであるが、惟ふに玄關番の學僕が、悲憤慷慨の士で、女の足につけるものを打棄つて置くのであらう。
泉鏡花 山の手小景 青空文庫
田植で泥塗れになった動物がピカピカに光って街道を帰ってゆく。
梶井基次郎 温泉 青空文庫
晴れた日には庭一面におしめやシャツのような物を干す、軒下には缶詰の殻やら横緒の切れた泥塗れの女下駄などがころがっている。
寺田寅彦 イタリア人 青空文庫
」法水はポケットから泥塗れに潰れた白薔薇を取り出して、「たぶん姉さんのでしょうが、この髪飾りが、振綱の下から五寸程のところに引っかかっていたのです。
小栗虫太郎 聖アレキセイ寺院の惨劇 青空文庫
それは、泥塗れになった片側を、十四郎が喜惣に当てたことで、喜惣はまたむきになって、無傷のほうを自分のものに主張するのだった。
小栗虫太郎 白蟻 青空文庫
靴も泥塗れになり、手も汚ごれた。
田中英光 箱根の山 青空文庫
泥塗れのビショ濡れになってる夜具包や、古行李や古|葛籠、焼焦だらけの畳の狼籍しているを横に見て、屋根も簷も焼け落ちて真黒に焼けた柱ばかりが立ってる洋物小売部の店(当時の丸善の仮営業所は鍵の手になっていて、表通りと横町とに二個処の出入口があった。
内田魯庵 灰燼十万巻(丸善炎上の記) 青空文庫
新流行のオリーブの中折の半分鍔を焼かれた上に泥塗れになってるのが転がっていた。
内田魯庵 灰燼十万巻(丸善炎上の記) 青空文庫