風船虫
ふうせんむし
名詞
標準
文例 · 用例
ランプのまはりには米つき虫や風船虫が切りに飛びまはつてゐて、正ちやんはぼんやりそれを眺めてゐたが、不図僕の跫音をきくと、慌てゝ絵本の上に眼をおとして決して顔をあげなかつた。
— 牧野信一 『魚籃坂にて』 青空文庫
春の真昼時らしいのに、蜜柑の樹蔭にたゞずんでゐるルルが、誘蛾灯をもつてゐて、ちよいと此処へ来て御覧とさしまねくので、近寄つて見ると、灯火のまはりには無数の風船虫が群れ集ふてゐます。
— 牧野信一 『サンニー・サイド・ハウス』 青空文庫
「おゝ、それは風船虫と称ばれる昆虫類である。
— 牧野信一 『サンニー・サイド・ハウス』 青空文庫
ルルが是非とも、それを実験して見たいと云ふので、僕は捕虫網を五月の鯉のぼりのやうに軽く打ち振ると、風船虫の群はまるで大鯨に呑まれる小魚のやうに、網の胴なかに吸ひ込まれました。
— 牧野信一 『サンニー・サイド・ハウス』 青空文庫
と思つた河原の傍を上つたのであるが、このあたりでキツネ蛍と称ぶランプの灯とりに飛んで来ても誰も見向かうともしない、瞬くやうな微かな光を時たま淡く放つだけで、風船虫程の大きさの小蛍――そんなのが折々流れの向ひ側でアッケなく明滅するのを瞥見したゞけで、子供の狩り手にさへ出遇はなかつた。
— 牧野信一 『籔のほとり』 青空文庫
「風船虫が、いるよ。
— 小川未明 『風船虫』 青空文庫
「これが、風船虫なの?
— 小川未明 『風船虫』 青空文庫
」「ああ、風船虫だよ。
— 小川未明 『風船虫』 青空文庫