縦皺
たてじわ
名詞
標準
文例 · 用例
かなり度の強い近眼鏡をかけ、そうして眉間には深い縦皺がきざまれていた。
— 太宰治 『父』 青空文庫
紅顔可憐という形容が似合うのだが、しかし、じっと相手を見据える視線や、眉間の縦皺、きっと結んだ口元は、美少年型の鶴雄の顔に苦味走ったアクセントと、憂愁の陰影をつけていた。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
顔色が冴えず、何か思い悩んでいるらしく、眉間には深い縦皺が刻まれていた。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
扁い、膩ぎつた、赤黒い顔には、深く刻んだ縦皺が、真黒な眉と眉の間に一本。
— 石川啄木 『刑余の叔父』 青空文庫
眉の間に二本の縦皺、これがあるために陰険に見える。
— 国枝史郎 『神秘昆虫館』 青空文庫
」 と、口に出していって、不敵な微笑を唇元に浮べたが、しかしいつかまた、かすかな縦皺が、美しい眉根の間に蔭をつくった。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
」と眉と眉との間へ、縦皺を二筋深く引き、「昼日中なんの機嫌がよくて、三味線なんか弾きましょう」「…………」 主税からの返事は聞こえてこなかった。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
梶子は眉間へ縦皺を寄せ、不快と怒りと憎しみとを、あからさまに顔にあらわしていたが、「機嫌など何んで直るものかよ。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫