山月
さんげつ
名詞
標準
moon over a mountain
文例 · 用例
山月にうそぶく虎になつたかと見ると、虎を射した加藤清正にも増した満身の力を込めて地に逆つた。
— 牧野信一 『素書』 青空文庫
……(牀前月光を看る、疑ふ是れ地上の霜、頭を挙げて山月を望み、頭を低うして故郷を思ふ。
— 牧野信一 『貧しき日録』 青空文庫
)――(頭をあげて山月を望み。
— 牧野信一 『貧しき日録』 青空文庫
山高くして月小なり、猛虎一声山月高し、など申しますが、猛虎を放つて咆吼せしむるには岩石突兀たる山に限るやうであります。
— 尾崎放哉 『入庵雑記』 青空文庫
霜満軍営秋気清……云々鞭声粛粛夜過河……云々蛾眉山月半輪秋……云々月落烏啼霜満天……云々高原弔古古墳前……云々 そんな詩を父は好きだった。
— 豊島与志雄 『父の形見』 青空文庫
死刑場には、不用になった黒く塗った絞台や、今も乞食が住む非人小屋があって、夕方は覚束ない火が小屋にともれ、一方の古墳新墳累々と立並ぶ墓場の砂地には、初夏の頃から沢山月見草が咲いた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
高閣崚※トシテ山月…… その発声の途端に、別の方から、また一つの吟声が無遠慮に飛び出して来ました。
— 白雲の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
プリムロウズは山月桂樹の枝を少し取ったが、その葉は去年の葉だのに、霜や雪解が交代でその葉の組織で力試しをしたことなどはまるでなかったかのように、青々として弾力があった。
— A WONDER BOOK FOR BOYS AND GIRLS 『ワンダ・ブック――少年・少女のために――』 青空文庫
作例 · 標準
山月が美しい夜は、物思いにふけるのに最適だ。
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彼は山月の下で、静かに故郷を想っていた。
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「あの山月を見ていると、心が落ち着くね」と彼女は窓の外を眺めながら言った。
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