餓虎
がこ
名詞
標準
starving tiger
文例 · 用例
久し振りで種々の御馳走にあずかって、いわゆる餓虎の肉を争うが如く、遠慮もお辞儀もなしに貪り食らった祟りが忽ちにあらわれ来たったものと知られたが、軍医部は少し離れているので、薬をもらいに行くことも出来ない。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
久し振りで種々の御馳走にあずかって、いわゆる餓虎の肉を争うが如く、遠慮もお辞儀もなしに貪り食らった祟りが忽ちにあらわれ来ったものと知られたが、軍医部は少し離れているので、薬をもらいに行くことも出来ない。
— 岡本綺堂 『はなしの話』 青空文庫
餓虎が食を欲すれば身を餓虎に與へ、「人汝の右の頬を批たば亦ほかの頬をも轉じてこれに向け、汝の裏衣をとらむとする者には外服をも亦とらせ、人汝に一里の公役を強ひなば之とともに二里行く」生活のみが眞正に神に協ふの生活であるか。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第三』 青空文庫
釋迦前生の餓虎供養、山上の垂訓の所謂「人汝の右の頬を批たば亦他の頬をも轉じて之を向けよ」といふが如きは、皆この意味に外ならないと。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第三』 青空文庫
故に個體的自我に對する征服の殆んど完成せる人にとつては、輕く、執着なく、身を餓虎に與へ、若しくは左の頬をもその敵に差出すことは恐らくは、一種の名状し難き喜びであるであらう。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第三』 青空文庫
併しそれが唯身體を餓虎に噛ましめることの喜び、左の頬に感ずる痛さの故の喜び――此の如き犧牲の快感の享樂に過ぎないならば、それは婆羅門若しくは中世の修道士にのみ相應しい一種の感情耽溺であつて、釋迦にも基督にも相應しいことではない。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第三』 青空文庫
若し身を餓虎に供養したために、虎は一層狂暴になり、左の頬をも差出したために、その敵が一層猛惡となるならば――自己犧牲の結果が、對象を一層惡くし、世界を一層惡くするならばどうであらう。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第三』 青空文庫
この場合にも猶身を餓虎に供養し、右の頬を打つものに左の頬をも差出すものは、「無我」の快感を味はむがために神と道とを私するものである。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第三』 青空文庫
作例 · 標準
三日間何も食べていなかった彼は、餓虎のごとく出された食事にむさぼりついた。
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新市場への参入を目指すその企業は、餓虎の勢いで競合他社の買収を進めている。
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山賊たちは餓虎のように獲物を待ち構え、通りかかった一行に襲いかかった。
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