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覗かす

のぞかす
動詞
1
標準
文例 · 用例
「オーイ」 相番のコーターマスターが、タラップから顔を覗かすと、直ぐに一運は怒鳴った。
葉山嘉樹 労働者の居ない船 青空文庫
ごらんなさいましという、言葉が道をつけて、隧道を覗かす状に、遥にその真正面へ、ぱっと電燈の光のやや薄赤い、桂井館の大式台が顕れた。
泉鏡花 貝の穴に河童の居る事 青空文庫
日月にはともあらん、夜分な星にも覗かすな、心得たか、とのたまへば、赤い頭巾を着た親仁、嘴を以て床を叩き、項を垂れて承り、殿の膝におはします、三歳の君をふうはりと、白き翼に掻い抱き、脚を縮めて御庭の松の梢を離れ行く。
泉鏡花 妙齡 青空文庫
寒竹のそよぎに心を覗かす、われは疲れることを知らず。
忘春詩集 忘春詩集 青空文庫
山稜はいつか草と偃松とを粧うた高原状の緩い斜面となって、眼の前にポーッと雪田が顕われる、雷鳥が一羽それを横切って向うの岩蔭に雪白の翼をちらと覗かす
木暮理太郎 黒部川奥の山旅 青空文庫
かれの聡明と、文化人的なつつましさは、平常の言語行動においては、彼の内部にそんな脆弱な欠陥があることなどは、まったく気ぶりにも他人へ覗かすことはしない。
第六分冊 新書太閤記 青空文庫
詩というものが、もしそういう意識以前の世界を覗かす機縁となる文字であるならば、話は極めて簡単になる。
中谷宇吉郎 詩人への註文 青空文庫
「おとっつぁン、じゃ……」 鷲尾が首をのぞかすと、「ハ、ハイ」と慌てたように一二歩前へ出てきて、キョトンと見つめた……鷲尾は一寸言葉がめっからなかった。
徳永直 冬枯れ 青空文庫