形体
なりかたち
名詞
標準
one's appearance
文例 · 用例
こりゃ現に、手前、軒下へ出て見ましたが、降ったか、湧いたか、流れて来たか、何のことはござりません、皆翼が生えて飛んで来て、空から雁が下りたと申す形体。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
目くるめいて、魂遠くなるほどに、大魔の形体、片隅の暗がりへ吸込まれたようにすッと退いた、が遥に小さく、およそ蛍の火ばかりになって、しかもその衣の色も、袴の色も、顔の色も、頭の毛の総髪も、鮮麗になお目に映る。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
畢竟こうした言葉が言われるのは、詩の本質に於ける精神――詩的精神そのもの――を形体なき世界に於て無限に拡大したからである。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
言い換えれば、物の写実的なる形体について見ないで、かかる感覚的形体相の上位にある、全体としての意味の直感、即ち形相以上、形以上のメタフィジックに突入するのだ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
然るに日本の能にあっては、かかる形体上の写実を見ないで、意味が全体として感じらるべく、第一義感的なものを強調する。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
また能に於ける「悲しむ人」は、形体の上で涙や悲歎を見せるのでなく、意味としての気分の上で、悲哀の心境を現わすのである。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
それは物の形体を見ずして本質を見、部分のデテールを描写しないで、直ちに物それ自体の実有相を表現する。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
絶えずはたはたと鳴らす団扇づかい、ぐいと、抱えて抜かないばかり、柱に、えいとこさで凭懸る、と畳半畳だぶだぶと腰の周囲に隠れる形体。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
作例 · 標準
旅に出る前の彼は、落ち着きのない形体で部屋の中を歩き回っていた。
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彼女は美しい形体を持って生まれただけでなく、気品も備えていた。
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立派ななりかたちをしていても、言葉遣いが悪いと台無しだ。
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