魚鳥
ぎょちょう
名詞
標準
fishes and birds
文例 · 用例
あまりに哀しく、きのふきみのくちびる吸ひてきずつけ、かへれば琥珀の石もて魚をかこひ、かの風景をして水盤に泳がしむるの日、遠望の魚鳥ゆゑなきに消え、塔をきづくの額は研がれて、はや秋は晶玉の死を窓にかけたり。
— 萩原朔太郎 『感傷の塔』 青空文庫
餓えて憩っている老翁のために魚鳥の獲ものの剰ったのを持って来て呉れたり、菱の実や、黒慈姑を持って来て呉れたりした。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
山居八月は祈祷、魚鳥遠くに消え去り、桔梗いろおとろへ、しだいにおとろへ、わが心いたくおとろへ、悲しみ樹蔭をいでず、手に聖書は銀となる。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
光る魚鳥の天景を、また窓青き建築を、しづかにきしれ四輪馬車。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
しかし私の書き抜いた長短わずかに二十三句の中にこういう「魚鳥」複合といったようなものが三度までも現われているのは決して偶然とは思われない。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
感傷至上の三昧は玲瓏たり、萬有にリズムを感じ、魚鳥も屏息し、金銀慟哭す。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
―人魚詩社信條―光の説光は人間にある光は太陽にある光は金屬にある光は魚鳥にある光は螢にある光は幽靈の手にもある。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
だししたぢに、慈姑、生麩、松露など取合はせ、魚鳥をうどんの粉にまぶして煮込み、山葵を吸口にしたるもの。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫