燕脂
えんじ
名詞
標準
文例 · 用例
おなじ控え室の反対側で、母親と姉さんと思われるふたりの手で、薄茶色のスーツと、燕脂をきかせたレジメンタル・タイをととのえてもらっている柾生を見て、慶一はおどろいた。
— 第1章 ローラーコースター、1966年 『45回転の夏』 青空文庫
こんな塲合にも自分だけは見窄らしい風はしまいといふ樣に白粉くさい張り氣を作つて、自分の情緒を燕脂のやうに彩らせやうとしてゐる女の心持がいやであつた。
— 田村俊子 『木乃伊の口紅』 青空文庫
瞼ばかりは、ほんのりと、霞に匂ふ遠山の、桜色をばそのままの、腥燕脂には代用して、粧ひ凝らす月と日も、積もれば人の追々に、忘るるものと思ひきや。
— 清水紫琴 『移民学園』 青空文庫
ときにあたかも、女王の私託品として大量高価の燕脂染料がインドから到着した。
— ELIZABETH AND ESSEX 『エリザベスとエセックス』 青空文庫