引き目
ひきめ
名詞
標準
文例 · 用例
むろん、自分より先にあばたの敬四郎が手を下していることは知っていましたから、おおよその覚悟も予想もつけていったのでしたが、事実ははるかにそれを越えて、小田切方の屋敷内はすでにその直属の岡っ引き目あかしなぞ配下一統の者によつて、秘密に厳重な出入り禁止を施されたあとだったからでした。
— 生首の進物 『右門捕物帖』 青空文庫
通学の道筋に当る町の若い女は眉山の往帰りを楽みにして、目牽き袖引き目送って人知れず焦れていたものも少なくなかったという評判だった。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
私などから世話を受けている、ということを、何かご自身の、ひどい引目ででもあるかのように思い込んでいなさるのです。
— 太宰治 『駈込み訴え』 青空文庫
」 無論たゞそんな仮想で一夜の祝勝会の余興にするといふ場合だといふのに、弘雄は余程の引目でもあるかのやうにたぢろいで、二人の友達を驚ろかせた。
— 牧野信一 『サクラの花びら』 青空文庫
その侍こそ怪いというので南北町奉行配下の与力や、同心岡引目明まで、揃って心を一つにして其詮策に取り掛かかりましたが一向手掛かりもありません。
— 国枝史郎 『赤格子九郎右衛門』 青空文庫
「昔、源三位頼政は、いわゆる引目の法をもって紫宸殿の妖怪を追ったというが、其方の得意の一刀流をもって妖怪を追うこと出来ようかな?
— 国枝史郎 『善悪両面鼠小僧』 青空文庫
大體佛教の方の目録は、その後まですべて索引目録が主で、内容目録になつたことはない。
— 内藤湖南 『支那目録學』 青空文庫
俺なんざ、今でも、むつかしい木取りの時あ、目の前に健五郎ば置いて、どげん引目ば入れりゃよかつかい健五郎ちうて、相談しいしいやっちょるとばい。
— 三好十郎 『破れわらじ』 青空文庫