小枕
こまくら
名詞
標準
文例 · 用例
髢にたぼみの小枕あり。
— 泉鏡花 『当世女装一斑』 青空文庫
(笄落し小枕落し……) と綾に取る、と根が揺らいで、さっと黒髪が肩に乱るる。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
……今年はじめて花見に出たら、寺の和尚に抱きとめられて、高い縁から突落されて、笄落し、小枕落し…… 古寺の光景は、異様な衝動で渠を打った。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
「高い縁から突き落されて、笄落し、小枕落し……」 と唄い続けつ。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
妻のお政はすやすやと寝入り、その傍に二歳になる助がその顔を小枕に押着けて愛らしい手を母の腮の下に遠慮なく突込んでいる。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
いずれも水色の揃いの帷子に、しん無しの大幅帯をしどけなく結び、小枕なしの大島田を、一筋の後れ毛もなく結い立てています。
— 岡本かの子 『茶屋知らず物語』 青空文庫
その緋の絞の胸に抱く蔽の白紙、小枕の濃い浅黄。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
……しかも同じ衾の左右には、まくれたり、はだかったり、白い肌が濡れた羽衣に包まれたようになって、紅の閨の寝息が、すやすやと、春風の小枕に小波を寄せている。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫