庶物
しょぶつ
名詞
標準
文例 · 用例
或者は曰く、予詩文算數法醫工技、皆之を能くせず、たゞ心ひそかに庶物を蒐集するを悦ぶ。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
以上は動植器物に對しての言であるが、予の言はんとする本意は庶物に對してでは無い。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
宇宙の氣の昇降伸屈盤旋交錯によつて孕育生長せられて居るのが、一切庶物の状なのであるから、怪むところも訝るところも無いが、草木を觀ると如何にも面白い。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
人若し能く草木に於て諦觀したならば、花開き花落つるも、葉の翠に葉の黄ばむも、一切の現象はたゞ天地の氣の動の姿たるに止まるを知つて、一切庶物に於て氣が働いて居るといふよりは、氣の中に於て一切庶物が存して居ると云つた方が適切なのを感ずるであらう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
蟹の肉は月によつて増減し、イトメの生殖は潮によつて催さるゝ如く、一切庶物が自然から或支配を受けて居ることは爭ふ可からざるものが有る。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
或る者は曰く、私、詩文算数法医工技、皆これを能くしない、ただ心ひそかに庶物を蒐集することを悦ぶ。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
以上は動植器物に対しての言であるが、私の本意は庶物に対してでは無い、実に人の悪でない思想や言語や行為に対しては、むやみに剋殺的の思想や言語や行為をしないで、助長を心掛けるべきであると思うからである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
宇宙の気の昇降・屈伸・旋回・交錯によって、養育生長させられているのが一切庶物の状態なのであるから、怪しむところも訝るところもないが、草木を観ると如何にも面白い。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫