有礼
ゆうれい
名詞
標準
文例 · 用例
この先生はたいていいつも少し茶色がかった背広の洋服に金縁眼鏡で、そうしてまだ若いのに森|有礼かリンカーンのような髯を生やしていたような気がする。
— 寺田寅彦 『追憶の医師達』 青空文庫
当時米国の公使として令名のあった森有礼氏に是非米国の婦人を細君として迎えろと勤めたというのもその人だ。
— 有島武郎 『北海道に就いての印象』 青空文庫
伊井公侯を補佐して革命的に日本の文明を改造しようとしたは当時の内閣の智嚢といわれた文相森有礼であった。
— ――新文学の曙光―― 『四十年前』 青空文庫
ことに男尊女卑の弊害を論じて故森有礼氏とともに男女同権論を唱えたるは当時の社会をしてすこぶる驚愕せしめたり、これらの点については福沢氏一派の論者実にもっとも急激なる革新論者たり。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
憲法発布のお祝いが東京市中をひっくりかえしているときに、森有礼が刺され、文学では山田美妙の「胡蝶」の插画に初めて裸体が描かれ、それに対する囂々たる反響が、同じ読売新聞にのっている。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
森有礼の理想によって、女子の最高学府として設立された一つ橋の東京高等女学校のポスト・グラデュエート(専修科)に通っていた花圃は、そういう歌会の席でも、床の間の前に坐っていたというところに、おのずから置かれていた地位がうかがえる。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
婦人の自主的なこれらの動きは、一八七二年の人身売買禁止法、男子に等しい義務教育令の制定や、福沢諭吉の一夫一婦論、廃娼論とならんで、森有礼が『明六雑誌』に「妻妾論」を書いて当時のいわゆる「権妻」の風習に反対したことにも通じている。
— 宮本百合子 『婦人作家』 青空文庫
文部大臣であった森有礼は、一人の進歩主義者、或は合理主義者であった。
— 宮本百合子 『私たちの建設』 青空文庫