死に所
しにどころ
名詞
標準
文例 · 用例
しかし一方ではまた彼が不治の病気を自覚して死に所を求めていたに過ぎないのだと言い、あるいは一種の気違いの所業だとして簡単に解釈をつけ、そうしてこの所業の価値を安く踏もうとする人もあるであろう。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
人生、死に所を得ることはむつかしい。
— 幸徳秋水 『死刑の前』 青空文庫
正行でも重成でも主税でも、短命にして、かつ生理的には不自然の死であったが、それでも、よくその死に所を得たもの、とわたくしは思う。
— 幸徳秋水 『死刑の前』 青空文庫
げんにわたくしは、その死に所をえなかったために、気の毒な生き恥をさらしている多くの人びとを見るのである。
— 幸徳秋水 『死刑の前』 青空文庫
死に所をえなかったがために、今のわたくしは、「えらいもんだ」にならないで、「馬鹿なやつだ」「わるいやつだ」になって、生き恥をさらしている。
— 幸徳秋水 『死刑の前』 青空文庫
主筋の人を討った明智家のうちに、なおこの主従の道義の破れずにあったことは、一見、矛盾なようでもあるが、やはり光秀の徳といえるし、また、道義に生きるほか生き所も死に所もない、武門の鉄則を明示しているものでもある。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
かくなれば、せめて自分は自分だけの笑みをもって、ここを死に所とするしかあるまい」 この弟は、種利よりは、出来ていた男らしい。
— 第十一分冊 『新書太閤記』 青空文庫
よって奏して僧を死に処し、従者十二人を配流して辺を戍らしめんとす。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫