晩景
ばんけい
名詞
標準
evening scene
文例 · 用例
晩景、留守を預るこの老番頭にあてて、津に出張中の主人から、里見氏の令夫人参宮あり、丁寧に宿を参らすべき由、電信があったので、いかに多数の客があっても、必ず、一室を明けておく、内証の珍客のために控えの席へ迎え入れて、滞りなく既に夕餉を進めた。
— 泉鏡花 『伊勢之巻』 青空文庫
」とまた駈出して、三吉裏手へ回れる時は、宿鴉しきりに鳴きて鐘声|交々起る、鮫ヶ橋一落の晩景うたた陰惨の趣あり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
……此の心持で晩景一酌。
— 泉鏡太郎 『飯坂ゆき』 青空文庫
されば他はみな晩景の開場なるにかかわらず、これのみひとり昼夜二回の興行ともに、その大入りは永当たり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
霧の深い晩景であツた。
— 三島霜川 『昔の女』 青空文庫
ふしぎな――さむしい魂の――かわけるあこがれを心の奧に、へんにうすぐらくしめつた森の奧の晩景を、さうして――ぼくの心は何といふ理由もなく無しやうにはがゆくさみしがる。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
元康は五月十九日の朝、丸根を陥した後大高に居ったが、晩景になって義元の敗報が達した。
— 菊池寛 『桶狭間合戦』 青空文庫
庵を上げた見世物の、じゃ、じゃん、じゃんも、音を潜めただからね――橋をこっちへ、はい、あばよと、……ははは、――晩景から、また一稼ぎ、みっちりと稼げるだが、今日の飲代にさえありつけば、この上の欲はねえ。
— 泉鏡花 『山吹』 青空文庫
作例 · 標準
湖畔に広がる美しい晩景は、訪れる人々を魅了する。
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絵葉書のような晩景を眺めながら、旅の思い出に浸った。
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あの日の晩景が忘れられない、と彼女は静かに語った。
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