螽
螽
名詞
標準
文例 · 用例
空が曇つたら、蝗螽の瞳が、砂土の中に覗くだらう。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
……その中を、飛交うのは、琅※のような螽であった。
— 泉鏡花 『小春の狐』 青空文庫
」 ここにも飛交う螽の翠に。
— 泉鏡花 『小春の狐』 青空文庫
可い塩梅な酔心地で、四方山の話をしながら、螽一ツ飛んじゃ来ない。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
といった次第で、雪の神様が、黒雲の中を、大な袖を開いて、虚空を飛行なさる姿が、遠くのその日向の路に、螽斯ほどの小さな旅のものに、ありありと拝まれます。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
螽の飛ぶよ、と光を放ちて、小路の月に閃めきたる槍の穂先霜を浴びて、柄長く一文字に横えつつ、「来い!
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
蝸牛の角を出して、櫓を操るものありとせよ、青螽の流るゝ如き発動汽艇の泳ぐとせよ。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
六番の美男の東海さんは「螽※みたいな、あんな女のどこが好いのだ。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫