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土埃

つちぼこり
名詞
1
標準
dust
文例 · 用例
この日は二科会を見てから日本橋辺へ出て昼飯を食うつもりで出掛けたのであったが、あの地震を体験し下谷の方から吹上げて来る土埃りの臭を嗅いで大火を予想し東照宮の石燈籠のあの象棋倒しを眼前に見ても、それでもまだ昼飯のプログラムは帳消しにならずそのままになっていた。
寺田寅彦 震災日記より 青空文庫
慌てて走って来たものと見えて、手拭浴衣の寝巻に帯も締めない素跣足が、灰色の土埃にまみれている。
夢野久作 巡査辞職 青空文庫
板敷にも畳にも、足触りの悪い程|土埃がたまつてゐた。
石川啄木 刑余の叔父 青空文庫
陰気な、不潔な、土埃の臭ひと黴の臭ひの充満たる家であつた。
石川啄木 刑余の叔父 青空文庫
暑い土埃がふっかけて遠く白く奔ってゆく。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
馬車は煙のような土埃を上げて動きだした。
佐左木俊郎 恐怖城 青空文庫
それを見て黒馬が走り葦毛が駆けだし、三頭の馬は土埃を掻き立てながら、毬のようになって新道路を走った。
佐左木俊郎 恐怖城 青空文庫
やがて、毬のようになって土埃の中に掠れていた三頭の馬は、道路から草原の中へと逸れていった。
佐左木俊郎 恐怖城 青空文庫