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雨霧

あまぎり
名詞
1
標準
文例 · 用例
夜が明けると、早くから飛び起きて、すぐにメリヤスの襯衣に浴衣で、ドアを押して見たが、颯と来る雨霧に慌てて首をすっ込ますと、早速にレインコートを引っかぶってしまった。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
その黒い黄の交った粗々しい毛並には雨霧が降っかかり、内側の白い皮までがすべすべと冷えきって何か無気味な、その納壺の奥には網が網臭く積まれ、土間には赤子を負った赤い髪の目の大きな女の子が、ただむっつりと時化波の荒海を眺めている。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
蔭の深い楡の二、三本の木立が、其処には幽雅な雨霧をまだ梢の緑に保っていた。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
木曽御嶽の遠望といふ立札があつたが、雨霧にその山容は見えない。
昭和十四年 旅日記 青空文庫
晴天だと、ルウエンゾリ山が好箇の目標になるのだが……、降りだして雨霧に覆われてからは、ただ足にまかせて密林のなかを彷徨いはじめた。
有尾人 人外魔境 青空文庫
雨霧をかき分けてポプラの木立がしずしずと浮かび上った。
金史良 土城廊 青空文庫
平野は雨霧に暮れ、川は激しい勢で流れていた。
金史良 土城廊 青空文庫
そして深い雨霧が街路灯に薄黄色い円を描く夜明けの街や、野菜や真桑瓜売りの荷車が雑沓する市場や、静かに濡れそぼつ大同江の船着場などをとぼとぼ徨い歩いた。
金史良 土城廊 青空文庫