浪宅
ろうたく
名詞
標準
文例 · 用例
T「旦那に金がないと 知ると、急に 手の掌かえして 水臭くなりやがって、 果は情夫と手に手を とってドロン……」(次の画面へダブル) =大吉の浪宅 (前の字幕からダブって) 遺されたおきよの書置き手に呆然自失、ドッカと座敷に坐った儘の大吉、 やる瀬なくその手紙胸に抱いて、T「おきよ!
— 山中貞雄 『中村仲蔵』 青空文庫
(F・O) =(F・I)長屋・物部の浪宅内部 何か頻りに話して居る嘉助老人の半身から始まります。
— 山中貞雄 『中村仲蔵』 青空文庫
ご後室さま、敬之丞とか申した兄の浪宅はどこでござります」「いえ、ようわかりました。
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫
お多根の身回り道具を持ち出していった以上は、十中八、九兄妹ふたりして出奔したか逐電したか、いずれにしても今ごろまで浪宅にいる気づかいはあるまいと思われたのに、家の中から、よよと泣き合う忍び音が漏れ聞こえるのです。
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫
だから、浪人者のびっくりぎょうてんしたのはむろんのことで、今はもう八幡宮へご立願どころではなくなったものでしたから、うろたえて浪宅に帰りつき、厳重に戸締まりを施しながら、家人の者をすら遠ざけて奥の一間に立ちこもっていたのだそうでしたが、しかるに、浪人者の態度は大いに奇怪至極でありました。
— なぞの八卦見 『右門捕物帖』 青空文庫
」 命ずると、あんどんをさしあげて、あそこここと家の内の間取りぐあいをしきりに見まわしていましたが、そのときふと右門の鋭く目を光らした個所は、ほかならぬお台所のいぶせき浪宅には広すぎる土間のまんなかに設けられた新しいかまどです。
— なぞの八卦見 『右門捕物帖』 青空文庫
その二幕目伊右衛門の浪宅、いわゆる髪|梳きの場である。
— 小栗虫太郎 『人魚謎お岩殺し』 青空文庫
が、別に嬉しくもない」 赤坂溜他の浪宅で、剣道を弟子に教えたり、博徒と博奕を開帳したり、飯より好きな辻斬りをしたり、よりより集まって来た旧手下どもと大名屋敷へ忍び込みお納戸金を奪ったり、あらゆる悪行を働きながらも彼は満足しないと見えて、こんな嘆息を洩らすのであった。
— 国枝史郎 『三甚内』 青空文庫