青旗
あおはた
名詞
標準
文例 · 用例
汽罐車だけが、シュッ、シュッと逆行していると、そのわきを脚絆をつけ、帽子をかぶった人が手に青旗を振り振りかけている。
— 宮本百合子 『田端の汽車そのほか』 青空文庫
日比谷交叉点 十文字に馳る電車、赤い旗、青旗 白ズボンに赤すじの入った洋袴をつけた海軍軍楽隊の男が、三人ぬかるみをとびこえ公園に入った。
— 宮本百合子 『一九二七年春より』 青空文庫
或電車の運転手が一人、赤旗を青旗に見ちがへたと見え、いきなり電車を動かしてしまつた。
— 芥川龍之介 『貝殼』 青空文庫
○青旗の木幡の上を通ふとは目には見れども直に逢はぬかも 〔巻二・一四八〕 倭姫皇后 御歌の内容から見れば、天智天皇崩御の後、倭姫皇后の御作歌と看做してよいようである。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
初句「青旗の」は、下の「木旗」に懸る枕詞で、青く樹木の繁っているのと、下のハタの音に関聯せしめたものである。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
右は大体契沖の説だが、「青旗の木旗」をば葬儀の時の幢幡のたぐいとする説(考・檜嬬手・攷證)がある。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
〔青旗の〕(枕詞)木幡山の御墓のほとりを天がけり通いたもうとは目にありありとおもい浮べられるが、直接にお逢い奉ることが無い。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
向う岸で巡礼の一隊が渡るまいかと思案していたが、大きな笠を手に、巡礼杖を持ち、小さな青旗をヒラヒラさせた所は、笠と杖とが盾と武具とに見えて、まるで野蛮人の群みたいであった。
— 日本その日その日 『日本その日その日』 青空文庫