木隠れ
こがくれ
名詞
標準
hidden behind trees
文例 · 用例
頼朝の伏木隠れというのも恐らくこうであったろう。
— 岡本綺堂 『夢のお七』 青空文庫
冷静を装っていながら空蝉も、源氏の真実が感ぜられるにつけて、娘の時代であったならとかえらぬ運命が悲しくばかりなって、源氏から来た歌の紙の端に、うつせみの羽に置く露の木隠れて忍び忍びに濡るる袖かな こんな歌を書いていた。
— 空蝉 『源氏物語』 青空文庫
「笹分けば人や咎めんいつとなく駒|馴らすめる森の木隠れ あなたの所はさしさわりが多いからうっかり行けない」 こう言って、立って行こうとする源氏を、典侍は手で留めて、「私はこんなにまで煩悶をしたことはありませんよ。
— 紅葉賀 『源氏物語』 青空文庫
通りの賑やかなのに、ここは広々した境内がシンとして、遠い木隠れに金燈籠の光がぼんやり光っていた。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
春風そこの椿に木隠れて何を覗くや、春の風。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
木隠れてある星よりも哀れなり広場の上の白き夕月 自分はつつましく木の枝に光の半を被ふ風な星に対してよりも、著はに自らを投げ出して、正しい批評と云ふものがどれほど身に痛くても甘んじて受けようと云ふ勇気の見える白い夕月の方に愛が多く持たれると云ふのである。
— 與謝野晶子 『註釈與謝野寛全集』 青空文庫
奉幣殿の上からは奥深い樹海の道で、すぐ目の前に見えていた遍路たちもいつか木隠れに遠ざかってしまうと、全くの無人境を私は一歩々々孤りで辿るのである。
— 杉田久女 『英彦山に登る』 青空文庫
黄金丸が睨め付し、眼の光に恐れけん、その矢も得放たで、慌しく枝に走り昇り、梢伝ひに木隠れて、忽ち姿は見えずなりぬ。
— 巌谷小波 『こがね丸』 青空文庫
作例 · 標準
夏の強い日差しから逃れるように、木隠れのベンチで一休みした。
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遠くに見える古びた社は、うっそうとした森の中に木隠れている。
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少年たちは木隠れの術を真似て、林の中でかくれんぼを楽しんだ。
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