杵柄
きねづか
名詞
標準
mallet handle
文例 · 用例
あれそれと小田原をやってる処へ、また竜川とかいう千破矢の家の家老が貴方、参ったんだそうで、御主人の安否は拙者がか何かで、昔取った杵柄だ、腕に覚えがありますから、こりゃ強うがす、覚悟をして石滝へ入ろうとすると、どうでございましょう。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
」と昔取りたる杵柄にて柔術も少々心得たれば、や、と附入りて、えい、といいさま、一人を担いで見事に投げる。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
印刷は無論ただ同然で引き受けてやったし、記事もおれが昔取った杵柄で書いてやった。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
こんな為事は昔取った杵柄で、梅なんぞが企て及ばぬ程迅速に、しかも周密に出来る筈のお玉が、きょうは子供がおもちゃを持って遊ぶより手ぬるい洗いようをしている。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
恐れ入りまするが手前も昔取った杵柄……思い寄りも御座いまするでこの場はお任かせ下されませい。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫
その代り、土地柄が悪く、性質の良くない酒呑み同志が喧嘩をはじめたりして、柳吉はハラハラしたが、蝶子は昔とった杵柄で、そんな客をうまくさばくのに別に秋波をつかったりする必要もなかった。
— 織田作之助 『夫婦善哉』 青空文庫
死人の後家彼僧主を頼み、僧主官許を得て、今は回教僧だが昔取つた杵柄と丹誠を凝し、上帝に祈る事僅かに數分、爾時尸肉忽ち落ち失せ白骨のみ存つた。
— 南方熊楠 『詛言に就て』 青空文庫
黒吉は、昔とった杵柄の、源二郎爺に呼吸を教わりながら、いよいよ恐ろしい曲芸の稽古にとりかかった。
— 蘭郁二郎 『夢鬼』 青空文庫
作例 · 標準
餅つき大会で、彼は力強く杵柄を握り、見事なリズムで餅をついた。
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祖父が手作りした杵柄は、長年の使用で手のひらにしっくりと馴染んでいた。
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古民具店の隅に、煤けているけれど頑丈そうな杵柄が置かれていた。
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