非常線
ひじょうせん
名詞
標準
cordon
文例 · 用例
消防組、青年団は、何のために護衛し、非常線を張り且つ(調べられる)か?
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
準備が整って予定の時刻が迫ると、見物人らは一定の距離に画した非常線の外まで退去を命ぜられたので、自分らも花屋敷の鉄檻の裏手の焼け跡へ行って、合図のラッパの鳴るのを待っていた。
— 寺田寅彦 『LIBER STUDIORUM』 青空文庫
蟻の兵隊は、もう金米糖のまわりに四重の非常線を張って、みんな黒いまさかりをふりかざしています。
— 宮沢賢治 『ツェねずみ』 青空文庫
地震は盗賊の巧だから、早く出口々々へ非常線というものを張って下さい、魚見岬の下あたりには一団り居るだろう、手強い奴、と思うから、十分の手当をして、とちゃんとお認めなすったの。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
トテモ際どい芸当をやったもんでさあ……」「ナアルホドネエ……張り込んでいる刑事がこの男を調べている隙を見て非常線を突破したわけですな」「どうもそうらしいんです。
— 夢野久作 『童貞』 青空文庫
懇意な家でしたから……」「ハハア……ナルホドネエ……じゃアもうそこいら中に非常線が張ってあるんですね」「エエ。
— 夢野久作 『童貞』 青空文庫
妾……もっと真暗になるまでここにいるつもりですから、何でもお言葉に従いますわ……何なら非常線の解けるまでこの工場の中に泊っても構いませんわ。
— 夢野久作 『童貞』 青空文庫
日はすでに暮れようとし非常線は張られてしまつたおれらは非力の叛逆人で厭世の、猥弱の、虚無の冒涜を知つてるばかりだ。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫