大水
おおみず
名詞名詞-の形容詞
標準
flood
文例 · 用例
一めん波が菱立って来た放水路の水面を川上へ目を遡らせて行くと、中川筋と荒川筋の堺の堤の両端を扼している塔橋型の大水門の辺に競走のような張りを見せて舟々は帆を上げている。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
藪のあるのは旧大きいお邸の医者様の跡でな、ここいらはこれでも一ツの村でがした、十三年前の大水の時、から一面に野良になりましたよ、人死もいけえこと。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
其謡は何人が作つたか知らぬが、童幼皆これを口にするに及んで、俄然として江東大水、家流れ家洗はれ、婦女も裳裾をかゝげて右往左往するに至つたのである。
— 幸田露伴 『震は亨る』 青空文庫
もう一度は、富士吉田で、私は大水に遭い多少の難儀をした。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
その邊は去年大水の出た跡だつた。
— 有島武郎 『幻想』 青空文庫
「此奴、狡猾い奴だ」と、兵站係の衣水子、眼玉を剥き出し、「八人前八銭ではないか、余分を返せ」と談判に及べば、船頭は一旦握った金を容易に放して堪るものかと、「この大水だで――」と頑強に抵抗したが、「馬鹿をいうな。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
川名はこの夏大水で堤防がくづれ、家がみな流れ、田や畑は砂にうまつてしまつただ。
— 新美南吉 『鳥右ヱ門諸国をめぐる』 青空文庫
いつそ大水でもと、私はおもふ橋が流れて呉れゝばいゝにだが、河の神さまはいふ橋を流すより、身を流せ。
— 岡本かの子 『川』 青空文庫
作例 · 標準
例句