模像
もぞう
名詞
標準
文例 · 用例
ああ、たしか広間の煖炉棚の上に、ロダンの『接吻』の模像が置いてあったじゃないか。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
上段にはメロスの愛神の模像を、ほの暗き室の隅に夢かとばかり据えてある。
— 夏目漱石 『野分』 青空文庫
模写説においては、真理は第一次的には存在に属し、知識の真理はこれに関係付けられることによって第二次的に真理であると考えるのが普通であり、そうすればそこに認められる原型的と模像的との関係を模写の関係と考えることもあながち不当とはいわれないであろう。
— 三木清 『哲学入門』 青空文庫
しかるにカントに依ると、我々の悟性は原型的知性でなくて模像的知性であり、その内容をみずから生産することができぬ。
— 三木清 『哲学入門』 青空文庫
とにかく寫眞や蒸汽船やを説いてゐるうちの一つに「電氣模像機」といふ題で口述してゐるのがそれであらう。
— 徳永直 『光をかかぐる人々』 青空文庫
たとへば「遠西奇器述」にいふ「電氣模像機」の實試法は詳細をきはめ、效用の範圍について木版などいふ日本獨自のものに適用してゐるところ、決して單なる蘭書の飜譯ではない。
— 徳永直 『光をかかぐる人々』 青空文庫
幸民の「電氣模像機」は「木版ハ數々刷摩スレバ――云々」とは云つても「木活字」とは云はなかつたのである。
— 徳永直 『光をかかぐる人々』 青空文庫
美の模像を見て美を考えることのできぬ、そして畏怖をいだくことのできぬ、あの不浄にして邪悪なる者の、さまざまな欲情のことを語りきかせた。
— DER TOD IN VENEDIG 『ヴェニスに死す』 青空文庫