鍋底
なべぞこ
名詞
標準
(inner) bottom of a pot
文例 · 用例
七つ八つの泡によって鍋底から浮上り漂う銀杏形の片れの中で、ほど良しと思うものを彼は箸で選み上げた。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
大根のチリ鍋は、とっくに煮詰って、鍋底は潮干の潟に芥が残っているようである。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
七ふたもと高い葉楊、鍋底こする舟の子、つん抜け土間の藁家は燕の飛ぶにまかせぬ。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
大きなテエブルの両側にはベンチ風の薄汚れた木の腰掛が一脚、二脚、クリロフの一家はここで、互に向い合せて、さて、スープの鍋底を大きな杓子でひっ掻きまわし、パンをもぎり、赤酒を、また牛の髄骨をしゃぶるらしい。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
恐しいといって身震をしやあがって、コン畜生、その癖|俺にゃあ三杯と啜らせやがって、鍋底をまた装りつけたろう、どうだ、やい、もう不可ねえだろう。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
胸も、腹も、後足も、すらりと上品に延びた尻尾も、みんな鍋底のようにまっ黒なのです。
— 芥川龍之介 『白』 青空文庫
浅い鍋底のような形をしたフェルトをすぽりと坊主頭へ頭巾のように被るのが、彼に大した満足を与えた。
— 夏目漱石 『道草』 青空文庫
すると煙が立って、いっときのさきが鍋底を舐めた。
— 山本周五郎 『橋の下』 青空文庫
作例 · 標準
スープの旨味が凝縮された鍋底を、最後の一滴までパンですくって食べた。
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かき混ぜるのを忘れたせいで、カレーが鍋底にこびりついて焦げ臭い匂いがしてきた。
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鍋底をコンロの火にかけると、じわじわと熱が全体に伝わっていく。
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