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降す

くだす
動詞
1
標準
文例 · 用例
その上にもまた、特殊な館の構造から、入口の梯子を昇降する人の足音が、周圍の壁に反響して、遠雷を聽くやうに出來てるので、あたかも畫面の中の大砲が、遠くで鳴つてるやうに聽えるのである。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫
足は天地に垂降するの足、手は地上に泳ぎて天上の泉をくむの手、諸君、肉身に供養せよ、諸君、おん手をして泥土にけがさしむる勿れ、詩人をして賤民の豚と交接せしむる勿れ、生活に淫する勿れ、手をして恆に高く頭上に輝やかしめ、肉身をして氷山の頂上に舞ひあがらしめよ、ああ、香料もて夕餐の卓を薫郁せしめよ。
萩原朔太郎 散文詩・詩的散文 青空文庫
さらにまたその平均水準の上下に昇降する週期的変化の「振幅」がやはり人によって色々の差があり、ある人は春秋の差がそれほど大きくないのに、ある人はそれが割合に大きいという風な変異があるものとする。
寺田寅彦 五月の唯物観 青空文庫
アイルランド人の経営しているホテル・グランド・オリエンタルは夜が更けるにしたがって人力車と馬車が交錯して万国旗の前でとまると各国の夜の女がボーイの腕に抱かれて、昇降するたびにアイオニアの音曲を奏するエレベーターに吸われていった。
吉行エイスケ 孟買挿話 青空文庫
そして、私の前に引き寄せた椅子の上に火鉢を降すと、それを挾んで私と向ひ合せに腰を降した。
南部修太郎 ハルピンの一夜 青空文庫
二階の縁などに立つて庭を見降すと、體を下に投げ出したくなるやうな衝動に襲はれて、はつとうしろにしざつたり、部屋の本箱の抽出にしまつてある五連發の短銃の事をひよいと、思ひ出すとそれを夢中で取り出してどかんと自分を打つてしまひさうな氣がして恐ろしくてたまらなかつたやうな經驗もやつぱりその當時の事だつた。
南部修太郎 自分の變態心理的經驗 青空文庫
」 と叫んで一歩前に出た署長を制しながら、暫く貪るやうに耳を傾けてゐたソオルはやがてがちやんと受話器を降すと、聲ひそめて、「ヂレツト・ホテルへ急行だ。
――スウェーデンの殺人鬼―― 死の接吻 青空文庫
「つくね芋、五萬圓……」かう呼んでみる時、私達の心には期待を裏切られた腹いせの滿足と、偶像をこき降す小さな快感が潜んでゐた。
南部修太郎 猫又先生 青空文庫
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