庚申塚
こうしんづか
名詞
標準
roadside standing stone dedicated to the Buddhist deity Shōmen Kongō (usu. also engraved with the three wise monkeys)
文例 · 用例
巌穴の底も極めたければ、滝の裏も覗きたし、何か前世の因縁で、めぐり逢う事もあろうか、と奥山の庚申塚に一人立って、二十六夜の月の出を待った事さえあるんです。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
庚申塚のある四辻を右の方に折れ曲ろうとすると、塚の背後の根本に藁畔をしてある禿榎の梢に止っていた一羽の烏がついと飛んだ。
— 田中貢太郎 『雁』 青空文庫
その春のある夜、太郎左衛門は浜松の城下へ往っての帰りに、遅く村の入口の庚申塚の傍まで来たところで、行手に当惑しているらしい、二人|伴の女の立ち止っているのを見た。
— 田中貢太郎 『切支丹転び』 青空文庫
娘の姿は、次第に橋を距って、大きく三日月|形に、音羽の方から庚申塚へ通う三ツ角へ出たが、曲って孰方へも行かんとせず。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
(もみじを御見物と見えますが、これから巣鴨へ抜けて、)先生、あの邸はね、私どもが居た池のふちから、通天門と額を打った煉瓦の石の門を潜って、やはり紅葉の中を裏へ出ると、卯之吉という植木屋の庭を、庚申塚の手前へ抜けられますわ。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
盗難多き旅宿は営業ならぬからで、庚申塚を道側に立てるも主として盗難少なく道路安全を冀うての事と見ゆ。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
内地ならば庚申塚か石地蔵でもあるはずの所に、真黒になった一丈もありそうな標示杭が斜めになって立っていた。
— 有島武郎 『カインの末裔』 青空文庫
荘助の額蔵が処刑されようとした庚申塚の刑場も近く、信乃の母が滝の川の岩屋へ日参したという事蹟から考えても高等師範近所と判断するが当っているだろう。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
作例 · 標準
古い街道沿いに、旅の安全を願う庚申塚がひっそりと佇んでいた。
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