物悲しい
ものがなしい
形容詞
標準
sad
文例 · 用例
失神した米良の腕を陳独秀はとると、彼等は酒棚のまえで物悲しい乾杯をした。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
』『そうですとも、ほんとにね兄さん、昨日も日が西に傾いて窓から射しこむと机の上に長い影を曳いて、それをぼんやり見ていると何だか哀れぽい物悲しい心持ちがして来ましたが、ふと画の事を考えて、そうだ今だとすぐ画板を引っ掛けて飛び出ました。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
それは僕の室から程近い玄関口の方に当って時折、するどく、けれども何となく物悲しい余韻をひびかせて、犬が吠え立てるのであって、僕はあまり雨降りの夜に犬の吠声を聞いた事がなかったもので(むろんそれは人通りの少い故にもよるのだろうが)――ちょっと訝しく思ったのでした。
— 渡辺温 『象牙の牌』 青空文庫
そうして彼の顔の上に顔をさし寄せて、彼の瞳の中をジッと覗き込みつつ、物悲しい、蠱惑的な微笑を見せた。
— 夢野久作 『童貞』 青空文庫
その上に腰をかけて編物をしてゐる娘もなく煖爐に坐る黒猫の姿も見えない白いがらんどうの家の中で私は物悲しい夢を見ながら古風な柱時計のほどけて行く錆びたぜんまいの響を聽いた。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
おおその時、その時、その破壞された家の下から、どんな一つの物悲しい言葉が聽えてくるか――一つの怪奇な木偶の靈魂は、かれの細長い舌を以てすら「幽冥に於ける思想」を語るであらう。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
いつも急がしく、あわただしく、群衆によつてもまれてゐる、不思議な物悲しい郵便局よ。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
東から北へと勾欄へついて眼を移すと、柔かな物悲しい赤と乾酪色の丘陵のうねりが閑かな日光の反射にうき出している隣に、二つの円い緑の丘陵が大和絵さながらの色調で並んで、その一つの小高みに閑雅な古典的の堂宇が隠見する。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
作例 · 標準
雨の日は、なぜか物悲しい気持ちになる。
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物悲しいメロディが、静かな夜に響き渡った。
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夕焼け空の下、一人でいると物悲しい気分に浸ってしまう。
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