零れ出す
こぼれだす
動詞
標準
文例 · 用例
鎧櫃から紅い水が零れ出す筈がない。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
釜がぶうつと泡立つてこぼれ出すと大急ぎに手桶の水を一杯注ぐ。
— 長塚節 『芋掘り』 青空文庫
竹の花筒には紫苑や野菊がこぼれ出すほどにいっぱい生けてあった。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
が、とうとう堪えられなくなって一粒涙がこぼれ出すともう遠慮も何もなくなって私は手放しの啜り泣きを始めた。
— 宮本百合子 『追憶』 青空文庫
涙がこぼれ出すと一緒に、未亡人の感じは悉く一変した。
— 宮本百合子 『渋谷家の始祖』 青空文庫
何がそんなにおかしいか、馬鹿奴、と云いながらイレンカトムの笑いも、ハッハッハッとこぼれ出す。
— 宮本百合子 『風に乗って来るコロポックル』 青空文庫
)二十二みたび旧道で――草津ゆきの軽便が停るたびに、それでも、すこし派手な夏の色彩がこぼれ出す。
— 高祖保 『独楽』 青空文庫
だが、元成は、彼の無造作なことばの端には、まま真実がこぼれ出すのを知って驚いた。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫