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嶮路

嶮路
名詞
1
標準
文例 · 用例
提灯の火影に照らして、闇き夜道をものともせず、峻坂、嶮路を冒して、目的の地に達せし頃は、午後十一時を過ぎつらん。
泉鏡花 黒壁 青空文庫
眞實の旅行にして見れば、旅行を好むにして見ても、尚且つ風雪の惱みあり、峻坂嶮路の艱あり、或時は磯路に阻まれ、或時は九折の山逕に、白雲を分け、青苔に滑る等、種々なる艱苦を忍ばねばならぬ。
幸田露伴 努力論 青空文庫
箱根の嶮路にかかつて、後部の大きな硝子戸に、汽関車がぴつたりとくつ附き、そのまま轟々と真つ黒い正面をとどろかして押し登つた時にも、それを見たこの子はそれこそひとりで大喜びであつた。
北原白秋 白帝城 青空文庫
兎に角苦しみ苦しみやつと此処までは登つて来たが、これから先きが嶮路である。
北原白秋 雀の卵 青空文庫
箱根の嶮路にかかって、後部の大きな硝子戸に、機関車がぴったりとくっつき、そのまま轟々と真っ黒い正面をとどろかして押し昇った時にもそれを見たこの子は、それこそひとりで大喜びであった。
北原白秋 木曾川 青空文庫
僕は、「兵士の歌」のAを、バンヤンの嶮路に向けて悪魔と戦わせてやろうか、気難し屋のBをラ・マンチアの紳士と相対せしめて問答させてやろうか、ピザの学生をスウィフトの飛行島に赴かせて、ラガド大学の科学室を見学させて度胆を抜いてやろうか……などと思うだけでも、面白さにわが身を忘れた。
牧野信一 吊籠と月光と 青空文庫
弱き女子供は恐る/\靜に歩み、危き場所は人に扶けらるゝを以て、却つて怪我せざるが、路伴となれる三客の中の二客は、身體矯捷、嶮路を輕視す。
大町桂月 阿武隈川水源の仙境 青空文庫
肩にお縋りなさりませ」 葉末は甲斐甲斐しく市之丞を起こし、麓の方へ麓の方へと、嶮路を辿って行くのであった。
国枝史郎 蔦葛木曽棧 青空文庫