紙撚り
こより
名詞
標準
文例 · 用例
ある夏中庭の花壇にこの花を作ったとき、一日試みに二つのうつ向いたつぼみの上方にヘアピン形に折れ曲がった茎を紙撚りのひもでそっと縛っておいた。
— 寺田寅彦 『藤棚の陰から』 青空文庫
紙撚りに油をしましたもので、一本だと五寸四方ぐらいが、朧げに見えた。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
つづいて、胴中に懸っていた五、六本の鎖が、まるで紙撚りが水にぬれて切断するかのように、ぷつんぷつんと切れた。
— 海野十三 『地球要塞』 青空文庫
給仕の男がコヨリの如きものを持つて駈け寄つて来た。
— 岸田國士 『従軍五十日』 青空文庫
そして、そのコヨリの先を口に近づけて、強く吹くと、ぽツと小さな焔が燃えあがつた。
— 岸田國士 『従軍五十日』 青空文庫
コヨリでとじた何冊かの稿本があり、そこに風守の自署があって、彼の作った詩文であった。
— その九 覆面屋敷 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
彼はキセル掃除のために常時手もとに用意しておく紙をとってコヨリを二本つくって、「主家の没落でオレも路頭に迷っているが、お前さん方は手に職があるから、将来に希望が託せる。
— その十 冷笑鬼 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
お前さん方に何もあげるものがないが、このコヨリを一本ずつあげよう。
— その十 冷笑鬼 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫