蠻
蠻
名詞
標準
文例 · 用例
されば大人が子供よりも、文明人が野蠻人よりも、より價値の高い人間として買はれるやうに、そのやうにまた我等の成長した敍情詩も、それが自然的でない理由によつてすら、原始の素樸な民謠や俗歌よりも高價に買はるべきではないか。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
『では、どうすれば好いんだ、ど、どうすれば……腕力なんて、野蠻な……僕は』紳士は對手の權幕に、震へ聲を出して、殆ど、全く、實際、困つた樣子。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
それを昔は「非營養料理」と罵つて、芥川君に「野蠻だなあ」と呆れられた。
— 萩原朔太郎 『悲しき決鬪』 青空文庫
丁度森林から出てきた蠻人が、文明世界における自己の裸體を恥ぢるやうに、君は自分自身の超習俗的な自然性を、この上なく羞かしいものに感じてゐた。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫
そして尚且つ、君の習俗を超越した放縱無禮の野蠻に對し、芥川君のいかに禮節正しき人物であることだらう。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫
ホイツトマンでも、ヱルレエヌでも、詩人の性格にはどこか皆純樸な子供らしさや、ナイーヴな野蠻めいた所や、エゴの強いお坊つちやんらしい所のある者だが、とりわけ室生にはさうした方面の傾向が烈しいやうだ。
— 萩原朔太郎 『室生犀星の印象』 青空文庫
」 彼等は、この野蠻人の侮辱に、尚もはらわたの煮えくりかへる思ひをしてゐるのだが、さびしく思ひ直して、それをよい加減に茶化さうと試みる。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
長男にはそんな野蠻性が無い。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫