逐返
逐返
名詞
標準
文例 · 用例
」 酒屋の御用を逐返してから、おお、斯うしてもいられん、と独言を言って、机を持出して、生計の足しの安翻訳を始める。
— 二葉亭四迷 『平凡』 青空文庫
百九 親思いの小野田が、田舎ではまだ物珍しがられる蓄音器などをさげて、根津の店が失敗したおりに逐返したきりになっている、父親を悦ばせに行った頃には、彼が留守になっても差閊えぬだけの、裁の上手な若い男などが来ていた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
蒲「何とか言つて逐返して了ひ給へ」遊「なかなか逐返らんのだよ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
このてで、某君は借金取り逐返しの名人となった。
— 豊島与志雄 『「沈黙」の話』 青空文庫
「いったってむだに定ってるじゃないの」「唯むだな許りじゃなかった、親無し子で乞食になる処を拾ってやったとか、生きているあいだは稼いで貢げとか、悪態のありったけを浴びせられ、塩を撒かれない許りに逐返された。
— 山本周五郎 『金五十両』 青空文庫