色道
しきどう
名詞
標準
sexual passion
文例 · 用例
勇武の士気漸く衰へ、儒道は僅に一流の人心を抑へ、滔々たる遊蕩の気風世に流るゝに当つて、粋様なる文学上の理想世に出でたり、而して光明を遊廓内に放てり、武士も紳士も此粋様を仰ぎ尊みたり、遊冶社界の本尊仏として、色道修行者の最後の勝利として、此粋様に帰依する者甚だ多かりき。
— 北村透谷 『粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ』 青空文庫
佐太夫なる一美形の生涯に想像したるところを悉く此粋に帰す可きにはあらねど、其境界より見れば、即ち世の俗粋をたらかし尽し、世の金銀を砂礫と見做し、世の栄華を色道の中に収め尽さんとせし心意気を見れば、彼れの出家前の日々の生涯の半ばは粋道の極意を貫ぬくにありし事知る可し。
— 北村透谷 『粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ』 青空文庫
唯だ余は明治の大家なる紅葉が不自然なる女豪を写し出して、恋愛道以外に好色道を教へたるを憾む事限りなし。
— 北村透谷 『「伽羅枕」及び「新葉末集」』 青空文庫
しかし神経的に考えてみれば思い当らぬところがないでもないので、それは多分|色道の飽食者である夫人が僕の変質に興味を持っているのであるか、それとも、ひょっとすると、同志林田の指摘したように僕の身辺を覘う一派の傀儡で、古い手だが、色仕掛けというやつかも知れない。
— 海野十三 『人造人間殺害事件』 青空文庫
幇間の初めをした色道伝授に韜晦生活の仄かな満悦を感じた人々の気分は、彼自身の中にも、活きて居たであらう。
— 後期王朝文学史 『女房文学から隠者文学へ』 青空文庫
もっとも、色道はこれ本来迷いの道であるが、私などはその迷いにすら通じてはおらず、こしかたを振りかえればサンタンたるヌカルミの道であったが、後世のお笑い草に筆をとるのも、今は私のはかない楽しみである。
— ――ゴロー三船とマゴコロの手記―― 『ジロリの女』 青空文庫
文芸の道また色道に異るなし。
— 永井荷風 『小説作法』 青空文庫
ところが花魁ときたひには、活きている時から色道地獄、もうそれだけでもたまるまい。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
作例 · 標準
古典文学には、色道をテーマにした作品も少なくない。
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昔の花街では、色道が盛んであったと聞く。
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彼の人生は、色道に深く傾倒していたと言われている。
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