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青隈

あおくま
名詞
1
標準
文例 · 用例
と考え出すと、南無三宝、も一つの瓶には蝮が居たぞ、ぐるぐると蜷局を巻いた、胴腹が白くよじれて、ぶるッと力を入れたような横筋の青隈が凹んで、逆鱗の立ったるが、瓶の口へ、ト達く処に、鎌首を擡げた一件、封じ目を突出る勢。
泉鏡花 沼夫人 青空文庫
あの会合は本尊が私設外務大臣で、双方が探り合いのダンマリのようなもんだったから、結局が百日鬘と青隈の公卿悪の目を剥く睨合いの見得で幕となったので、見物人はイイ気持に看惚れただけでよほどな看功者でなければドッチが上手か下手か解らなかった。
内田魯庵 二葉亭追録 青空文庫
近づいて見ると意外にも、それは角が生えて青隈の入った木彫の面、俗に般若の面と称するものでしたから、手に取り上げて勘八はおどろきました。
他生の巻 大菩薩峠 青空文庫
華奢で、筋肉質で、きかん気で、喧嘩強そうで――そのくせ、顔一面に漲る恐怖は、死面一杯に青隈になってコビリ附いて、物馴れた平次も、その不気味さに身を震わせた程です。
恋患い 銭形平次捕物控 青空文庫
従来藤原時平と云うと、あの車曳の舞台に出る公卿悪の標本のような青隈の顔を想い浮かべがちで、何となく奸佞邪智な人物のように考えられて来たけれども、それは世人が道真に同情する餘りそうなったので、多分実際はそれ程の悪党ではなかったであろう。
谷崎潤一郎 少将滋幹の母 青空文庫
華奢で、筋肉質で、きかん氣で、喧嘩強さうで――そのくせ、顏一面に漲る恐怖は、死面一杯に青隈になつてコビリついて、物馴れた平次も、その不氣味さに身を顫はせた程です。
戀患ひ 錢形平次捕物控 青空文庫
面には、何か、白い粉や青隈を塗り、付け髯であろう、胸の辺まで、白髯を垂れていた。
吉川英治 平の将門 青空文庫
――落ちた途端に蓋がとれて、その中からころころとおどり出したのは鬼女の仮面、口は耳まで裂け、眦をつり、青隈の色も物すごく、大地へピタリとすわッている。
吉川英治 江戸三国志 青空文庫