逆潮
ぎゃくちょう異読 さかしお
名詞
標準
weather tide
文例 · 用例
幾多の海潮、それの逆潮、暖流、寒流が流れ巡つてゐる。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
しかし、われらが現に營みつゝある歴史と活動の中には、廣い和やかな一帶がある外に、強い嵐があり、暖流と寒流とがあり、幾多の海潮とその逆潮とがあり、それから地震の波動があることもまた太平洋に似てゐる。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
しかしそういう、退潮と逆潮とでできる海流の渦のような気流は、残念なことにあの上空にはない。
— 天母峰 『人外魔境』 青空文庫
地位なく金なく背景なく才もないたゞ瘠腕一本の一久女にとつては、永久に渦まく瀬戸の逆潮をのりきり、風雨とたゝかふ心境も、ゆくべき道もただ尽天地これ俳句の曠野あるのみである。
— 杉田久女 『万葉の手古奈とうなひ処女』 青空文庫
逆風と逆潮とで困難なばかりでなく、あらしがしばしば起った。
— 日本の悲劇 『鎖国』 青空文庫
逆潮に妨げられて上陸はし得なかったが、かえってそのためにアガリヒラ島の解釈は、大きな影響を受けたかと思われる。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫
老師ご自身、この大乱やら世の逆潮には、おそらく狼狽しておいでであろう。
— 湊川帖 『私本太平記』 青空文庫