頽廃
たいはい
名詞
標準
文例 · 用例
「いき」の「諦め」は爛熟頽廃の生んだ気分であるかもしれない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
そうして、ボオドレエル自身の説明{9}によれば、「ダンディズムは頽廃期における英雄主義の最後の光であって……熱がなく、憂愁にみちて、傾く日のように壮美である」。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
* 浮世絵の哲学は或る頽廃的なる官能の世界に没落し、それと情死しようとするニヒリスティックなエロチシズムで、歌麿や春信が最もよく代表している。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
そんな所へ人の出入りがあろうなどと云うことは考えられない程、寂れ果て、頽廃し切って、見ただけで、人は黴の臭を感じさせられる位だつた。
— 葉山嘉樹 『淫賣婦』 青空文庫
頽廃の児、自然の児 太宰治は簡単である。
— ――馬をさへ眺むる雪の朝かな―― 『碧眼托鉢』 青空文庫
ルーレットのモナコ、悪徳の町、三十九の機会の町、妾の運命、そんなとりとめのない頽廃した意思が妾を支配していたのです。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
かれの寝起きしてゐる母屋は汚くて、それこそ足の踏み場も無いほど頽廃してゐて、むしろ此の納屋のはうが、ずつと住みよいくらゐなのである。
— 太宰治 『清貧譚』 青空文庫
そのとき諸君は夕焼を、不健康、頽廃、などの暴言で罵り嘲うことが、できるであろうか。
— 太宰治 『善蔵を思う』 青空文庫