残り少な
のこりすくな異読 のこりずくな
形容動詞
標準
running short
文例 · 用例
煙草はだん/\残り少なくなって来た。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
自分の常着も一枚、お里は、ひそかにそう思っていたが、残り少ない金を見てがっかりした。
— 黒島傳治 『窃む女』 青空文庫
そして著者とともに貴重な残り少ない生の一日一日を迎えるのである。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
渋々捨てて、新しきを、また別なるを、更に幾度か挽いたれど、鋸につきたる炭の粉の、其都度雪を汚しつつ、はや残り少なに成りて、笹の葉に蔽はれぬ。
— 泉鏡花 『紫陽花』 青空文庫
先刻から往きつ戻りつ、よほどの時を費したので、二人が力のない足を引き摺って再び水道橋を渡る頃には、又蔵の提灯の蝋はもう残り少なくなっていた。
— 朝顔屋敷 『半七捕物帳』 青空文庫
飲ませろ、と言われた時には、あいにく日本酒も何も無かったので、その残り少なの秘蔵のウイスキイを出したのであるが、しかし、こんなにがぶがぶ鯨飲されるとは思っていなかった。
— 太宰治 『親友交歓』 青空文庫
さりとて親身の親切なんていものはもう残り少なで、わが身自身の生き料にしか使えねい。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
父の命を助けて、その代わりに自分と妹のまつ、とく、弟の初五郎をおしおきにしていただきたい、実子でない長太郎だけはお許しくださるようにというだけの事ではあるが、どう書きつづっていいかわからぬので、幾度も書きそこなって、清書のためにもらってあった白紙が残り少なになった。
— 森鴎外 『最後の一句』 青空文庫