威張り
いばり
名詞
標準
文例 · 用例
それでも運好く成功した人間共は、其の幸福と云うことは一向顧みないで、始めから自分達が優者である如く威張り散らすのである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
天才者常に空威張りし、予言者嘆息するはまことに許容すべきのみ。
— 中原中也 『地上組織』 青空文庫
6 マア坊は、あの、つくしの手紙を僕に見せて、やっぱり少し威張りたかったのではあるまいか。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
けれども花宵先生は、急に威張り返るとか何とか、そんな浅墓な素振りは微塵も示さず、やっぱり寡言家の越後獅子であって、塾生たちの詩歌の添削は、たいていかっぽれに一任しているのだ。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
それなのに、お前はひどく威張り返って、洋裁の仕事がいそがしくてとても田舎へなんか行かれぬなどという返事をよこして、どんな暮しをしていたものやら、そろそろ東京では食料が不自由になっているという噂を聞いてあさは、ほとんど毎日のように小包を作ってお前たちに食べ物を送ってやった。
— ―――三幕 『冬の花火』 青空文庫
そんな親しい人ならば、どんな貧しい肴でも恥ずかしくないし、家の者に聞かせたくないような話題も出る筈はないのであるから、私は大威張りで実に、たのしく、それこそ痛飲できるのであるが、そんな好機会は、二月に一度くらいのもので、あとは、たいてい突然の来訪にまごつき、つい、外へ出ることになるのである。
— 太宰治 『酒ぎらい』 青空文庫
それから、関、亀山、四日市、桑名、宮、岡崎、赤坂、御油、吉田、蛸は大威張りで駕籠にゆられて居眠りしながら旅をつづけた。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
惜しいのである)まるで何か当然の事のように、大威張りでぐいぐい飲まれては、さすがに、いまいましい気が起らざるを得なかったのである。
— 太宰治 『親友交歓』 青空文庫