現なま
げんなま
名詞
標準
文例 · 用例
「いいえ、現なまですが。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
でも、まあ、大みそか、お正月、百円くらい損してもいいから、一日もはやく現なま掴みたい心理、これは、私たちマゲモノ作家も、君たち、純文学者も変りない様子。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
大杉栄百円を損す4・4(夕) 社会主義者大杉栄氏が百円損をした、それも現なまで――といふと、大抵の人は真実にしないで、「なに、大杉が百円。
— 大正八(一九一九)年 『茶話』 青空文庫
菩薩更に筆を執りて、近作の俗謠を書して曰く、我が嫌ひなま意氣なま醉なま物識なまで好いのはなまこ生貝なま松魚何より好いのは現なまぢや一同、これは/\とばかり、感歎す。
— 大町桂月 『夜の高尾山』 青空文庫
現なまを船に積み込み次第、己は島で奴らをやっつけねばなるめえ。
— 宝島 『宝島』 青空文庫
ところで、この一枚をきょう両替屋で現なまにするんです。
— フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー 『罪と罰』 青空文庫
その間、向うの座敷でも何とも言わず、お銀様もまたその仔細をたずねようともしなかったのですが、あの白々しい取引があれまで進んで、いざ、現なまを渡そう、受取りましょう、というところになって、不意にこんな現象が出来してしまった。
— 恐山の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
競馬は春秋二季、あたかも農閑期に、いくらかの現なまが――たといそれは租税やなんかのためには不足だったにしても――村人のふところへ宿かりした時分にあったのだ。
— 犬田卯 『競馬』 青空文庫