悪草
あくそう
名詞
標準
文例 · 用例
次第に喬木の森林に入った、白く光る朽木は、悪草の臭いや、饐えたような地衣の匂いの中に立ち腐れになっている、うっかり手が触れると、海鼠の肌のような滑らかで、悚然とさせる、毒蚋が、人々の肩から上を、空気のように離れずにめぐっている、誰も螫されない人はない、大樺池を直ぐ眼の下に見て、ひた下りに下る。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
到るところしどろな悪草の茎を噛み、あらくれの蔦葛を満身に浴びて耕地から裡の台地へと。
— 逸見猶吉 『逸見猶吉詩集』 青空文庫
夏の盛りの折々にはやはり一隊の囚人が土手の悪草を刈っている事もありました。
— 永井荷風 『監獄署の裏』 青空文庫
なかにも圃に地ひばり、田で蛭藻など申しまして、もっとも非常の悪草でござりましたが、鉱毒被害のために、影も見えません。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫