来家
らいか
名詞
標準
文例 · 用例
彼女は自分の道楽を見習つて、すこしは歌めくもの、まれに短文などつづりもしたが、元来家事向きに出来て居る女の物真似、なに程の事ぞときめて、取り上げた事もなかつた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
元来家事にむかない私が自分の研究の暇をさいて、とにかくそれに励むようになったのも仕向けられるばかりでは済まないこれによって仕向けて上げようと云う意力から始まった事です。
— ――型でなしに 『家庭愛増進術』 青空文庫
財産としては、宅地を少し離れた所に田畑を持っていて、年来家で漢学を人の子弟に教えるかたわら、耕作をやめずにいたのである。
— 森鴎外 『安井夫人』 青空文庫
元来家屋はレスパネエ夫人の所有なりしに、宝石商これを借り受けをり、濫に上層を他人に又貸ししたる故、夫人はその所為に慊焉たるものあり。
— THE MURDERS IN THE RUE MORGUE 『病院横町の殺人犯』 青空文庫
元来家産があったのでもない則義が亡くなった今、十九の夏子がいかに大人びていたにしろ、どんな方法で生計を立ててゆこうと計画したのだろう。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
経文を伝法院に学ばんと貞子の語り蟋蟀の鳴く 由来家常茶飯事を歌によんで立派な歌にしたてたこと作者のやうな人は先づなかつた。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
……近来家出が流行ると見える。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
元来家庭労働者とともに政治的には最も後にのこったものと認められていた家庭の主婦達が、この家屋の中まで進出して来た託児所を中心とし、集団的行動の必要に訓馴されて次第に個人主義的なものの考えかたの習慣から脱離しはじめたのである。
— 宮本百合子 『子供・子供・子供のモスクワ』 青空文庫