一脈
いちみゃく
名詞
標準
(a) vein
文例 · 用例
ああくらき緑をやぶり、天上よりきたるの光、いま秋ふかみ、あふげば、一脈の金は空にあり。
— 萩原朔太郎 『鑛夫の歌』 青空文庫
村落の光る厩のうへに、かがやく愛の手は伸びゆきて、われの身は銀の一脈、ひそかに息づき生命はや絶えなんとする。
— 萩原朔太郎 『厩』 青空文庫
したがって彼の詩境は、「俳句的」であるよりもむしろ「和歌的」であり、上古奈良朝時代の万葉集や、明治以来の新しい洋風の抒情詩などと、一脈共通するところがあるのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
此所にそれを再録したのは、詩のスタイルを同一にし、且つ内容に於ても、本書の詩篇と一脈の通ずる精神があるからである。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
例の天幕作りに取りかかる、古生層地は白峰までつづき、鳳凰地蔵一脈の間で、深谷にフツリと切れているのが、よく見える、人夫たちは雷鳥三羽を捕獲した、みんなして二羽を醤油飯に、一羽を焼いて喰った。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
一合から一合五|勺の休み茶屋、そこを出ると、雲の海は下になって、天子ヶ岳の一脈、その次に早川連巓の一線、最後に赤石山系の大屏風が、立て列なっている。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
葉末から滴り落ちる露がこの死んだような自然に一脈生動の気を通わせるのである。
— 寺田寅彦 『夕凪と夕風』 青空文庫
そしてだんだん虚脱に似た無批判になってゆく心境のなかにいつか涼しい一脈の境界が透って来た。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4